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遺言書が無効になるケースとは?
遺言書があれば財産の分け方を自分の意思に沿って決められ、相続の際のトラブルを防げます。
ただし、遺言書が無効になってしまうケースがあります。
本記事では、遺言書が無効になるケースについて、分かりやすく解説します。
遺言書が無効になるケース
遺言書が無効になるケースは主に以下の6つです。
- 遺言書の形式に不備がある
- 遺言の内容が不明確
- 公序良俗に反する内容
- 遺言能力がない
- 錯誤、詐欺、強迫による遺言
- 偽造された遺言書
それぞれ詳しく確認していきましょう。
遺言書の形式に不備がある
遺言書は、法律で定められた形式に従って作成する必要があります。
特に、自筆証書遺言は形式の不備が原因で無効となることが少なくありません。
遺言の内容が不明確
遺言書の内容が曖昧で何を意図しているのかがはっきりしない遺言書は無効になる可能性があります。
しかし、遺言者の意思をできる限り尊重するため、裁判所では遺言の内容をできるだけ有効に解釈しようとする傾向があります。
結果として、一見不明確な遺言でも、遺言者の真意が読み取れる場合は有効とされることがあります。
公序良俗に反する内容
遺言書の内容が公序良俗に反する場合、遺言は無効です。
事例を紹介します。
遺言者は高齢でアルツハイマー病の初期症状があり、顧問弁護士の影響を受けやすい状態でした。
最初は後継者を決めるために遺言を依頼していましたが、数か月後には全財産を弁護士に遺贈する内容に変わっていました。
弁護士は判断能力の低下による変更であることを理解しながら、適切な助言をしませんでした。
結果として弁護士が受け取った遺贈金額は5億円を超え不当な利益を得ることとなり、遺言書は無効になりました。
遺言能力がない
認知症などで遺言能力がない状態で作成された遺言も無効です。
遺言能力とは、遺言内容を理解し、結果を認識する能力を指します。
認知症だからといって必ずしも無効になるわけではなく、遺言時の精神状態や遺言内容を総合的に判断されます。
錯誤、詐欺、強迫による遺言
遺言が錯誤や詐欺、強迫によって作成された場合、その遺言は取り消すことができます。
錯誤が認められる例として、法律的な効力のない事項を遺言者が有効と誤解していた場合などがあります。
偽造された遺言書
遺言書が偽造されたものの場合は、無効になります。
また、遺言書を偽造した者が相続人の場合、相続人の欠格事由にあてはまるため、相続権を失います。
まとめ
遺言書が無効になってしまう6つのケースを分かりやすく解説しました。
ご自身の意思表示を無効にしたくない方は、司法書士に相談することをおすすめします。
お気軽にご相談ください!